千夜一夜

人生は短い、それはまるでたった1日のように

映画「ちづる」感想 母と娘のふたりの月


映画「ちづる」を見てきました。

立教大学新座キャンパスで行われた、上映会+赤崎正和監督の講演、というイベントにて。

 監督が自閉症の妹を1年間撮影し、卒業制作が全国公開となったドキュメンタリーです。 

 

当たり前だけど、ドキュメンタリーって結末の見えない撮影なんですね。

ラストをどうするかぎりぎりまで迷っていて、最終的に締めに使ったカットは埋もれていた、という話が印象的でした。先生と見直していて二人で「あ、これにしよう」となったそうです。

 

印象に残ったのは千鶴さんと母・久美さんの距離の近さでした。精神的にはもちろん、身体的にも。お互いに髪をさわったり、喧嘩するときも掴みあいになって。

私も母とは仲の良いほうだと思っていますが、やっぱり?スキンシップはほとんどないなぁ。最後に同じベッドで寝たのはいつだっただろう、10歳くらいかな…と思ったりしました。

 

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「ムーンライト ムーンライト」

「2人の月 ふたりのって英語でなに?」 

 

終盤、寄り添って話していた2人の場面が好きです。

ふたりの月、英語でなんていうんだろう。ちょっと味気ないけどTheir moonになっちゃうのかな。いまGoogle翻訳で「2人の」を調べたら「For two people」と出てきました。ふたりのための月。

Moon for two people. Moon for you and me.

 

二人が生活のほとんどを共有せざるを得ない事情があって、時には全力でぶつかってもいる背景を差し引いてもなお、母と娘が仲睦まじい様子をただ眩しく感じました。  

 

母と娘の関係にどこか既視感を覚えたのは、中学校で見た「典子は、今」と重ねていたためでした。

サリドマイド病により両腕のない女性の主演によって作られた半ドキュメンタリーの劇映画。典子の母親が、娘の足を拭いた後のタオルで自分の顔をぬぐっていた場面に愛情を感じました。

改めて調べると母として出演していたのは実の母ではなく女優さんでしたが、それほどドキュメンタリーに近いものであったということだと思います。

 

ちづるさんは現在、福岡で在宅作業やデザインをしているそうです。劇中でも何度か絵を描いていた場面がありました。

あの子がこういう絵を描いてるときは調子悪いのよ、と言った久美さんに、言葉にならない部分から感情を汲み取ってきた20年以上の積み重ねを思います。

 

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上映会場でイラストから作られたグッズが販売されていました。トートバッグなど。

こちらは手ぬぐいです。ピンクと青の二種類があって青にしました。ポスターが暖色だったから少し迷ったけど、作中でちづるさんが着ていた服は寒色系が多かったなぁ、と思って。

 

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よしもとばななさんの小説の挿絵に載っててほしいイラスト。

 

赤崎さんはいま、再び家族にカメラを回しているそうです。「ちづる」から7年後の、現在の赤崎家を見られる日を楽しみにしています。

 

予告編の映像はこちらから。

映画『ちづる』公式サイト