千夜一夜

人生は短い、それはまるでたった1日のように

コインロッカー・ベイビーズ感想2018


コインロッカー・ベイビーズ再演、東京公演3回観ました。橋本キク河合ハシを1回、河合キク橋本ハシを2回。2016年の初演は未見です。

ちょうど初演があった頃に原作を読んでたんだけど、当時は舞台のこと全然知らなかったのが悔しい。コインロッカーに捨てられた過去をもつ青年ふたりの話。

 

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コインロッカー・ベイビーズ| PARCO STAGE

 

公式サイトのあらすじ、原作の筋をそのまま持ってきた感じ。舞台で省略されてた描写が載ってたり、原作を改変してた部分が反映されてなかったり。

(前略)キクは、その内在するエネルギーを「飛ぶこと」で解消していた。陸上の棒高跳びで活躍していたキクは、家出したハシを追って東京へ育ての母の和代とともに出発。

台詞ではキクが器械体操をしてたことになってたけど、原作では棒高跳びの選手なのとか。壁飛び越えるシーンとか棒高跳び設定のほうが良くない?とも思うけど。

でも序盤からコインロッカーに閉じ込められた新生児の心象をオムツとよだれかけを模した衣装のダンサー10人(12人だったかも)の歌と踊りで表現しにくるので、正直言って競技の違いどころじゃない。

 

今回の再演では、新たな試みとして、まず橋本良亮がキクを、そして河合郁人がハシを演じ、公演期間中にそれぞれ役を入れ替えて演じる、という未知の世界に挑みます。

14,21,28日で行きました。だから最初の配役の回、交代してすぐの回、後期の配役である程度やった回…みたいな。各配役で2回ずつ観たかった。橋本さんが「4回観てほしい」って言ってたというのも頷ける。

 

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これ東京公演のスケジュールなので、また大阪と富山でも公演を控えてるんですよ。しかもアイドルのお仕事もしながら。恐ろしい…。

実は当初はチケット14日の分しか取ってなかった。原作が原作だからグロテスクだったり重たい気持ちになる描写は避けられないな〜と思って。覚悟して行ったんだけど、終演後は見事にこれは交代した役も見なきゃ!となった。

今からチケット取れるかな、と思ったら見事に出口で「リピーターズチケット」を売ってた。並びました。その場で席も選べた。そのとき取ったチケットで行った翌週、役の入れ替え初日で逆の配役を消化し切れなくて、帰りにまた次の週の千秋楽前日夜を取りました。8000円の支払いが現金のみだったのはちょっと大変だったけど。

席は3回とも2回席の通路前中央やや上手寄りでした。 タクシーの場面でヘッドライトが目に刺さる位置。主演の2人とヒロインが2階席(のあたり)を見上げて歌うシーンが何度かあって、楽しかった。

あと2階の通路前、カーテンコールで2人が目の前を通って衝撃を受けました。これまで役者さんが通路まで来るようなカーテンコールを経験したことがなかった。ジャニーズのライブとかにも行ったことがなかったし。

役入れ替えても橋本さんが上手で河合さんが下手の立ち位置は変わらなかったので、3回とも橋本良亮さんが近かったです。間近でみた橋本さんは細くてきらきらしてて色気に圧倒された〜。目は合っ(たと思っ)てない。笑

交代初日に一番びっくりしたのは2人の髪色が変わってなかったこと。茶髪のキクと黒髪のハシだと思ってたから。でも回を追うごとに橋本さんの茶髪が薄く(色が濃いめに)なっていってた気がする。ライトの当たり具合とかのせいかな。

 

最初に見たとき普通に役がしっくりきて、初演では逆だったんだ…と思ったのに、後半はまた見るうちに馴染んできて、だんだんわけがわからなくなってきた。というか前期の配役の二人でまた観たい。両方映像化してください。あと音源も。

とはいえ個人的にはキク:橋本良亮・ハシ:河合郁人の前半派です。河合さんのハシ、後から思い出してじわじわと染みてくる。河合さんのハシ名場面は二幕目最初の裁判の場面で「キクはいつも、僕を助けてくれました」という台詞。そう言ったときの消え入りそうな雰囲気の河合さんが、私が原作を読んだときのハシのイメージに近かった。後半の橋本さんのハシは、同じ台詞を力強く言ってました。

橋本さんのドライなキクと、 河合さんの自信がないように見えて妙に堂々としたハシがしっくりきたのかな。前半の2人は物語の「キクとハシ」がそれぞれ持っている負の面が強調されている気がして、それが人間らしさに見えてリアルに感じられたというか。河合キクは熱血(独房の壁登ってたとことか)、橋本ハシはひたすらに繊細って感じで、こちらの方がフィクション感は強かったかも。

 

そして音楽について。音楽劇ということで、劇中曲はずっと生演奏でした。舞台のセットの奥に演奏隊の皆さんがちょっと見えてた。ピアニストさんの楽譜のページがめくられるところとか。最初はストーリー追うのに精一杯で、生演奏ってことちゃんと意識できたの2回目からだったんだけど、その一歩引いた感じも計算なんだろうなあ。

ワニの国の使者〜の歌の前奏が特にお気に入りです。なんかこう、YUKIの星屑サンセットみたいな感じのピコピコしたポップな音。アネモネの歌い方の力強さも!絶対に可愛らしい感じでも歌えると思うんだけど、あえてそうしない堂々とした感じが。もちろん大前提としてリオさんは可愛いから、歌い方の話ね。

許されてーるーのー、の腕ぐるぐる回す振りが可愛かった〜。ダンサーさんたちのオタ芸もすごかったな、キンプリ(アニメの方)の応援上映が好きだから客席でもサイリウム振りたかったくらい。音源化されたらジムの会員になってあの曲聞きながら走りたいな。

場面は前後するけどオシャレせえ〜オシャレせなあかん〜も頭から離れなくなるタイプの曲です。曲名がわからなくてもどかしい。関西弁のおじさまは良い、ROLLYさんめちゃかっこよかった…。

それと「僕の妹、僕の羊、僕の公園、盗まれた僕の目玉」のコーラス、誰が歌っていたんだろう。シスターさん役の方?

そしてニヴァの「この子は生き残るわ、生き残って、蝿になったあなたを踏み潰すわ」 の言葉、初めに聞いたときはただ圧倒されていたけど後から考えて最後までハシのことを思い遣っていたんだ、と泣きたくなった。家族を殺した犯罪者として死ぬハシが生まれ変わって蝿としてまた誰かを操ることを不安に思うだろう、って咄嗟に考えて「大丈夫、そうなる前にこの子があなたを殺すわ」って励ましているんだろうな、と思って。

最後28日に観たときは東京千秋楽が近かったこともあって冒頭からたくさんの場面で泣きそうになっていたけど。7月28日は台風が来ていたので最初の駅員さんの台詞に「台風12号か…帰れるかな…」ってアドリブが入ったことも思い出です。

 

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赤坂actシアターの演劇オリジナルドリンク、キクのぶどうスカッシュとハシのココナッツミルク。カウンターで「ハシください」とか「キクハシ入りまーす」って言葉が飛び交っててちょっと面白かったです。

ココナッツミルクの底にタピオカ入ってて嬉しかった。スカッシュは思ったより炭酸が強いのがキクっぽい〜って感じ。ほんとはアネモネをイメージしたお酒もあったんだけど、アルコールに弱いのでそちらは断念しました。その代わりactシアター夏季限定のアイス最中(白桃ホワイトチョコ)が美味しかった。これだったかな。

第一食品 プレミアムモナカ みもな

最後に見た28日の帰りにパンフレットを買ったんだけど、なんだか勿体無くてまだ開けてません。こうして感想も書いて私の中のコインロッカー・ベイビーズに一区切りついたから少しずつ読むつもり。

 

新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)

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別ブログの後日談です。

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